三重県津市の観音

地元で愛される観音様

真宗高田派本山専修寺

恵日山観音寺

このお寺は津市の大門にありますが、恵日山観音寺よりも津観音(つかんのん)という呼び名の方を用いられることが多く、 この地域で住んでいる住民のほとんどが津観音、あるいは観音さん、観音さまと親しみを込めて呼んでいます。 なので観光客が「恵日山観音寺へ行きたいんですが迷ってしまって、よろしければ道をお尋ねしたいのですがどこにあるかご存知ですか?」と ラフな格好で犬の散歩をしている老人に声をかけても、「わし知らん」と返される場合もあります。 ですがその老人に改めて「では観音さんへ続く道を教えてもらうことはできるのでしょうか?」と問いかければ、恵日山観音寺への道を詳しく教えてもらえるでしょう。 犬の散歩をしていない人に尋ねてもだいたい同じような展開になることが予想され、サッカーボールを蹴りながら疾走している少年が相手でも、 大きなリュックサックを背負って家出をした風貌の青年に声をかけても、恵日山観音寺への道を知ることは困難かと思われます、観音さまと言わないかぎり。 ここは津市のほぼ真ん中にあり毎月のようにイベントを催しているので地元民も頻繁に集う寺院です。 1月にはもちろん初詣という大イベントがありますし、12月の大晦日の夜には除夜の鐘を大きく打ち鳴らします。 2月には鬼押え節分があり、4月には津観音会式秘仏本尊特別御開扉という謎めいたネーミングの会式もあります。 とにかく何月に行っても5割以上の確率でイベントをしているので、一ヶ月間滞在すれば50%の確率でなにかしらの企画に遭遇するでしょう。

真宗高田派本山専修寺

津市の一身田町にある専修寺(せんじゅじ)は真宗高田派の本山なので全国的にも有名だと思いますし、みなさんも名前くらいは知ってるのではないでしょうか。 交通の便もよい立地で、JRの一身田駅で降りれば徒歩で向かえるのも観光客にとって嬉しいかぎりです。 ここには親鸞聖人直筆の国宝西方指南抄や三帖和讃があるので、親鸞聖人マニアもきっと大満足することができそうです。 他にも親鸞聖人の木像もあり、彼の魂をひしひしと肌で感じられる素敵なスポットなので日本中から真宗を信仰している人が集います。 木像のある御影堂の周囲には小道が広がり、池なんかもあるので散策するのも良い体験になるのではないでしょうか。 専修寺名物の雲幽園は歩きがいのある庭園で、過去に何人もの方がお茶を飲んだであろう安楽庵もそこにはあります。 雲幽園も安楽庵も江戸時代のものだそうで、両方とも文化財として大切に扱われているので皆さんも破壊しないようにして下さい。 津市どころか三重県の中でもトップクラスのお寺なので、やってくる人の数も少なくはなく混雑する日もあると予想されますが、 どんなに人が多くても癇癪を起して暴れないようにしましょう。 ここには大切な文化財も多いのですぐに捕まってしまいます。

真教寺(閻魔堂)

真教寺(しんきょうじ)は津市の下弁財町にあり、閻魔堂とも呼ばれる少し恐ろしい雰囲気漂うお寺です。 なぜそんないかついあだ名がつけられたのか、それは閻魔王座像がここにはあるからというのが地元民の意見になるでしょう。 真教寺でも呼びにくくはありませんしその名前でも問題なく通じますが、より親しみを込めて特徴を捉えたあだ名をつけようとしたら閻魔堂になった、 そういうことだと思いますが知らない人が聞いたら行くのを躊躇う恐さです。 閻魔様のイメージはとにかく恐い人で、機嫌を損ねると地獄に送られてしまうというのが一般的なものだと思います。 なのでもし閻魔堂で彼を怒らせてしまったら地獄に落とされる、恐いから行きたくないと言い出す人がいてもおかしくはないでしょう。 でも本物の閻魔さんとここで出会うことはないのでその心配は杞憂です。 あくまで像があるだけで、本人はここにはいないので安心して参拝すればオッケーですし、もし会ったとしても悪いことをしなければ怒られることもありません。 閻魔像の他にも円空さんの作った十一面観音立像もありますし、像を褒めるようにしておけば地獄送りは免れる、私はそう思います。 このお寺は昔っぽい町にあるのでよけいに恐ろしく感じさせるのかもしれませんが、弁財町に住んでいる人がそれほど閻魔様に恐怖していないことからも 安心なお寺ということは分かるでしょう。